第15回. [序章] ~ 麻雀「プロ」の創生、共生、新生 ~⑮(バビィの新・「プロ論」)

第15回. [序章] ~ 麻雀「プロ」の創生、共生、新生 ~⑮(バビィの新・「プロ論」)

[更新日:2017/05/03(全文掲載)、公開日:2017/04/03]

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月刊「麻雀界」で好評連載中のバビィの新・「プロ論」。以下、「2017年4月1日発売号」の連載内容を特別に掲載させて頂いています。(太字・色づけ等は当サイトにて付与)

▼▼▼ ここから馬場プロの連載より ▼▼▼

業界の低迷と乱立するプロ団体

1981年、日本初の麻雀プロ団体「日本プロ麻雀連盟」設立。

1985年、「最高位戦グループ」誕生。第10期最高位戦から所属選手たちによる自主運営となる。

阿佐田哲也氏が創った「麻雀新撰組」、そこから派生した「麻雀プロ(タレント)」群。小島武夫氏や古川凱章氏に憧れ、この世界に入ってきた若者たちは、日本プロ麻雀連盟(以下、プロ連盟)と最高位戦グループ(以下、最高位戦)とに二分されました。

主な方々の名前を挙げると――

[プロ連盟]

荒正義、安藤満、伊藤優孝、椎名大介、瀬田一輝、田中利春、藤原隆弘、森山茂和、ロッキー堀江

[最高位戦]

青野滋、井出洋介、大沢健二、久保谷寛、阪元俊彦、西田秀幾、高見沢治幸、筆者(馬場裕一)

※故人、引退選手を含む

二分されたとはいえ、対立していたわけではありません。

プロ連盟と最高位戦とで「交流」という名の選手派遣が行なわれていたりもしました。

僕の記憶が正しければ、プロ連盟からはロッキー堀江氏が最高位戦のリーグ戦に、また最高位戦からは高見沢治幸氏がプロ連盟のリーグ戦に参戦されていたのです(他にもいらっしゃったような気がしますが、残念ながら思い出せません)。

最高位戦グループが競技規定を成文化し「プロ団体」への一歩を踏み出した1987年、古川凱章氏が初代理事代表を務める「101競技連盟」(以下、101)が発足(後に法人化に伴い「日本麻雀101競技連盟」に改称)。

この段階で「麻雀プロ業界」は、プロ連盟・最高位戦・101と三つの団体に分かれることになりました。

一見「三国志」ですが、前述したように何の対立も起きませんでした。

プロ連盟と最高位戦は双方で選手派遣していたし、最高位戦と101は両方に所属する選手が少なくなかったのです。それぞれの団体に独自の方向性があり、お互いに干渉しないのが暗黙のルールとなっていた感があります。

何よりも団体の発展や存続のために日々奔走、干渉している暇などないというのが実情だったかもしれません。

こうして10年の歳月が流れました。

近代麻雀、麻雀研究、ビッグ麻雀は廃刊となり、専門誌はプロ麻雀のみ。

レジャーの多様化により、若者の麻雀離れが進み、麻雀荘も激減。

麻雀業界にとっては一種の暗黒時代といってもいい時代を迎えていました。

各団体は存続していたものの、将来性が見えず、現状維持が精一杯の1997年、激震が起こります。

井出洋介氏が理想の麻雀プロ組織の確立を目指し「麻将連合」を立ち上げを宣言。

名人、最高位というビッグタイトルを獲得し、新聞、雑誌、テレビetc…とあらゆるメディアで活躍していた井出洋介氏はプロ麻雀界の大スター。

そのスタープレイヤーが疲弊しつつあった麻雀界に風穴を開けようと動いたのです。これは当時の、将来に不安を感じていた麻雀プロたちにとって、とても魅力的な宣言に映ったことでしょう。

実際、プロ連盟や最高位戦のベテランから中堅の選手たちが、所属していた団体を辞し、井出洋介氏の元に駆けつけたのであります。

さらにこの年、女子プロの草分け的存在だった浦田和子氏と高橋純子氏が所属のプロ連盟を去り「日本麻雀愛好クラブ」を設立(後に「日本プロ麻雀棋士会」に改称)。プロ団体の分裂はこれに留まりません。

 

21世紀に入ると、2001年、土井泰昭氏が最高位戦から離脱し「日本プロ麻雀協会」を発足。

これは麻将連合や棋士会と違って、完全な内部分裂でした。

また2006年に土田浩翔氏がプロ連盟と袂を分かって「日本麻雀機構」を設立。

ただ、この機構はプロ団体ではなく、プロ・アマ共存の組織だったのですが、やがて機構内のプロたちがまとまり、翌2007年「RMU」が発足します(代表は多井隆晴氏)。

阿佐田哲也氏が種を蒔き、小島武夫氏、古川凱章氏が耕した「プロ麻雀界」は、結局7つの団体に分かれるに至りました。相変わらずお互いに干渉しない独自路線を貫いて。

〈これからの麻雀タレントの生き方には二つある。
  ひとつは実生活や社会の表面から麻雀を切り離し、麻雀界を特殊村にして魅力を保つこと。もうひとつは、麻雀タレントにプロレスのような渾名を付け、絵空事の面白さで麻雀界を沸き立たせていくこと――〉

今から40年前の阿佐田哲也氏の提言には、いろいろ考えさせられるものがあります。

さあ、いよいよ来月号から「本論」に突入してまいりましょう。

(序章 完)

▲▲▲ ここまで馬場プロの連載より ▲▲▲

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▼ 上記は、月刊「麻雀界」2017年4月1日発売号に掲載された内容です。

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